こっちを向いて! と  自分にナイフを突き立てる
  足りなくて  足りなくて  何かが足りなくて・・・
  何かが足りないのかわからないから食べ続ける

  視たくない事や  思い出したくない事が  多すぎて
  何も解からない自分になる

  足りなくて  足りなくて  足りなすぎるのがつらすぎて・・・
  食べる事を止めてしまう

  訳もなく殴られすぎて  訳もなく  ののしられすぎて
  自分が生きていて良いのかさえ解からなくなる
    足りなくて  足りなくて・・・
      足りなさすぎて  本当に何が足りないのかさえ
        解からなくなる・・・
        − そんな子供がいます −

  頑張って  ガンバッテ  がんばりすぎて・・・
    ある日突然  何もしたくなくなる

  友達も 家族も 学校も 職場も 恋人ですら
    全てが  どうでも  よくなってしまう
  自分さえ  ガマンすれば良いと思っていたのに
    そうする事は  美しい事だと思っていたのに・・・
  いつの間にか鏡に映った姿は鬼のよう

  怖くて  こわくて  さわれなくて  ついつい・・・
  他を視てしまう  後ろ髪をひかれながら・・・
    けれども振り返れば  怖さはそのまま

  足りなくて  足りなくて  足りなすぎるのに
    満足だと思おうとしている
      大丈夫だと思おうとしている
        − そんな大人がいます −

  足りない子供と  足りない大人
    たがいの腕は2本しかないけれど
  たがいを抱きしめ合うには  充分すぎるのに

    − どうか その腕で たがいの"足りなさ"を抱きしめて下さい −
    − どうか その腕で たがいの"想い"を分け合って下さい −

                      2006年4月 ・・・